2020Sep北海道10Days DAY02 フェリー内 「旅は男の船」

寝台で目をさますとすでに朝の8時だった。
洗面所で顔を洗い歯を磨いているとほのかに体がフワフワする。どうやら数日前に過ぎていった台風の影響で海はすこし波があるようだ。

給湯室で水筒にお湯をつめ、持参したお茶と一緒に甲板で朝食のピロシキを食べる。一晩たっていたので外側のパンはすこし硬くなっていたが、中の具は格別だった。

持参した本を読んでは寝、食っては寝、お茶飲んでは読んで、を繰り返しているうちに、あっという間に夕暮れの時間に。いつしか船の揺れは収まっていた。海に沈む夕陽は雲に覆われて見ることが出来なかった。
なお持参した本はこちら。

海保嶺夫「エゾの歴史」講談社学術文庫。2006年出版。

舞鶴での出航は一時間ほど遅れていたものの、小樽への接岸は定刻どおりだった。フェリーを降りるときのこの感覚も、よい。いつごろからだろうか。長距離フェリーに乗り降りするときに、いつも思い出す言葉がある。

「旅は男の船であり、同時に港である。」

別に意味を深く考えたこともない。 誰の言葉かも、思い出せない。
むかし北海道のどこかの安宿で会った人に聞いた言葉だったような気がする。


船をおりる。札幌市内の常宿までは急がずとも走ると小一時間で着く。
明日の予報、雨。

DAY03につづく

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2020Sep北海道10Days DAY01-No.2 「スパシーボ」とフェリー

祇園のあたりをウロウロしたあと、今年の6月に京都の下京区にオープンしたというロシア雑貨と軽食のお店「スパシーボ Спасибо」に立ち寄る。2017年のユーラシア横断の旅以来、ロシアという国に、ぼくはある種の特別な感情がある。

オーナーはロシアのマガダン出身のヴィクトリアさん。ロシア民族舞踊家でありつつ、京都で日本舞踊を学んでいるという。日露の文化交流にも尽力されていて、毎年大規模な交流イベントも主催されている。敬服。
お店の詳細はこちら https://jp.sputniknews.com/opinion/202006217557394/

古民家住宅を改装したと思われるこじんまりとしたつくりで店頭ではピロシキやペリメニも食べることが出来る。店内にはロシアのお菓子や紅茶、衣類や雑貨がならんでいる。缶詰やお菓子などを手にとってみると、キリル文字のパッケージと微妙な質感がなにか郷愁のようなものをさそう。外国の雑貨を扱うお店にありがちな割高感もなく、当初ピロシキだけ買うつもりだったのが、ついロシア愛があふれ出てしまいいろいろ買ってしまった。パニアケースには余分なスペースほとんどないのに。

お気に入りはプーチンさんTシャツ。
<самый вежливый президент> 
直訳すると「もっとも 礼儀正しい(丁寧な) 大統領」とある。これが本気なのかジョークの類なのか、ぼくには判断つかない。「礼儀正しい、丁寧な」の意味が日本語とはすこし異なるのかもしれないし。ん。
ロシアという国は広く、深いのである。ちなみにウズベキスタン製であった。

その後ふたたび四条河原町の鴨川沿いでのんびり過ごし、陽も傾きはじめてきたころようやく舞鶴へ向かう。国道367号、通称鯖街道を北へ進み日本海へ向かう。街灯のない真っ暗な山道を淡々と行く。21時すぎには無事舞鶴フェリーターミナルに到着。

「Go to トラベル」キャンペーンは長距離フェリーにも適用されるのでうれしい。人ひとり+バイク一台で片道2万円超のところが、1万3千円ちょっとになる。往復で1万4千円ちょっとお得になる。よし、道内では美味しいものを食べよう。

当日北海道へ渡るバイクはぼくのを含めて十台ほどであった。年配のライダーが多い。どうやら出航は一時間ほど遅れているようだ。24時をだいぶまわってからようやくバイクの乗船開始。係員の案内に従いスロープをのぼり、指示された場所にバイクを停めるとみな手馴れた所作で荷物を降ろし客室へむかう。

手早く寝床を整え、甲板へ移動するとフェリーは身を震わせるように岸壁をはなれるところだった。
小さくなってゆく港街の灯りを眺めながらビールをあける。
フェリーが出航する際のこのなんともいえない不思議な高揚感。
何度経験してもやはり、いいね。

DAY02につづく

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2020Sep北海道10Days DAY01-No.1 京都

以前は毎年8月半ばから9月はじめころまでの2週間ほどの期間(道内10日ほど)で毎年のように北海道を走っていた。その頃は仕事を終えたその足で最寄のランプから高速道路にのり 舞鶴のフェリーターミナルまで走っていたけれども諸事情により時間に余裕ができたので下道をゆく。
高速道路代4000円ほど節約もできるし、舞鶴からのフェリーは23:50発。急ぐこともない。

午前中に用事を済ませ、昼過ぎに奈良の自宅を出発、京都市内までは一時間ほどで着く。

京都。
普段は外国人ふくめ多くの観光客であふれかえる京都四条、祇園あたりもコロナ19の影響で驚くほど人が少ない。この機会に京都特有のせまい路地をバイクでウロウロしてみる。







祇園、八坂神社、八坂の塔、二寧坂その他。そして高台寺の「辻利」にて抹茶パフェでひとやすみ。

こんなにしずかな京都を過ごしたのははじめてかな。来年はまた観光客でごったがえすと思われる。

DAY01-No.2へつづく

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2020Sep.北海道10DAYS

2020年9月。
今年は4年ぶりに北海道ツーリングしてきたので
ぼくの備忘録を兼ねてまとめてみる。

10日間の日程で、道内は7日。ルートは以下のとおり。

(フェリー)小樽→札幌→帯広→釧路→根室→羅臼→北見→小樽(フェリー)。
訪れたいところは山ほどあったが、比較的短い滞在ということで
今回は道東に焦点をあわせ、釧路・根室あたりで時間を使おうとおもう。


次回へつづく

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年明けて 鐘がなるなり 法隆寺

令和二年走り初め、行ってきました。

走り初め、というほどの距離ではないのだけれど

数ある日本の世界遺産、その第一号「法隆寺」へ行ってきた。

家から20分、片道10kmほど。

世界最古の木造建築の西院伽藍、美しい五重塔をはじめ

シルクロード由来の美しい仏像がてんこ盛り。

拝観料は1500円とやや高め。けどその価値は十分あるよ。

今回、あらためて見てみたかったのは伽藍の回廊、その柱。

「エンタシス」という言葉を聞いたのは中学校の授業だったか。

ギリシャのパルテノン神殿に見られる建築技法が云々、、、

そのパルテノン神殿がアテネに建設されたのが紀元前438年、

マケドニア王国のアレキサンダー大王が多くの人を引き連れて

ペルシャへ遠征したのが紀元前330年頃、

その時アジアに住み着いたギリシャ人が残した文化は

ガンダーラ、中央アジア、北魏、朝鮮半島を経て

西暦650年頃、日本の大和に到達した。この間およそ1000年。うーむ。

いつかこのルートをバイクで辿ってみたいなぁ。

それには北朝鮮、中華人民共和国、新疆ウイグル自治区、アフガニスタン、

イラン、イラク、シリアを通過して、、、

まだまだ当分時代が許してくれないだろうなぁ。

 

パルテノン神殿の柱
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