屈斜路湖へ-2016北海道Day2-1:(9/5)

北海道ツーリング:Day2

阿寒湖畔のライダーハウスを出発、
阿寒横断道路を経て屈斜路湖へ向かう。
道中濃い霧が立ち込め、空は厚い雲が覆う。
今日の弟子屈(屈斜路湖・摩周湖)は天候も眺望も期待できない。

ならば。
屈斜路湖畔各所に点在する温泉に浸かり
昼すぎまでのんびりしようと
まずは湖に飛び出した和琴半島に沸く
露天風呂「和琴温泉」へ。
和琴温泉(初冬)

ここは学生時代に初めて訪れて以来、十数年ぶり。
目の前が屈斜路湖。素晴らしい開放感。しかも無料。

夕暮れ時、旅慣れたふうのお姉さんが
なんの衒いもなくバスタオル一枚を体に巻き、
時おり立ち上がっては湖を眺めつつ優雅に入浴する姿を
離れたところからチラ見しては
ドギマギしていた十数年前。

あの頃のことと、この十数年を振り返りながら
しんみりとお湯に浸かるつもりだったけれども。

・・・台風10号がもたらした大雨は、
屈斜路湖の湖面を大幅に上昇させ
思い出の和琴温泉露天風呂は、無残にも水没・・・

和琴温泉水没

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阿寒湖アイヌコタンとアイヌ舞踊-2016北海道Day1-3:(9/4)

阿寒湖畔のアイヌコタンにある
「アイヌシアター ・イコロ」にてアイヌ古式舞踊を見学する。
ちなみに「イコロ」はアイヌ語で「宝」の意。

アイヌシアター
建物の外観と装飾にちぐはぐな印象をうけたが
あまり変な先入観を持たぬよう
意識してニュートラルな心持を保つように入場したつもり。
入場料1080円。30分の演目にしては少々高いような・・・

「鶴の舞」や「黒髪の踊り」など数種を観覧。
国の重要無形民俗文化財に指定かつ、
ユネスコ世界無形文化遺産登録されている。

正直な感想。 とくに心に響くものはなかった。

おそらくアイヌの血と伝統を濃く受け継ぐ人たちによる
本物のアイヌ舞踊なのだろうが、
「神に入る・鬼気迫る・圧倒的な・引きこまれる」
といった迫力はとくに感じられなかった。

しかし、ひとつ注目したのは
「カムイノミ」といわれる神々に祈りを捧げるさまざまな儀式。
それらの所作と発声、使われている道具や言葉などに
「神道」の影響を強く受けていると見受けられたこと。
イコロ・カムイノミ

その件が気になり、後日「和人」との交流の経緯をすこし調べたけど、
観光地などで喧伝されがちで、僕も今までそう思っていた
「神々を敬い、自然と共に生きる純朴で心優しき人々」
のようなイメージとは異なり、アイヌ、かなり武闘派な一面も。

船を漕いで樺太へ渡り、北上して大陸へ。アムール川を遡り、
世界最大最強のモンゴル帝国(=元)にケンカふっかけたりしてます。

これらの「和人との共生と確執」「モンゴルとの交易」などを
いずれまとめてみたいとおもいます。

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帯広から阿寒湖へ-2016北海道Day1-2:(9/4)

帯広を出てから足寄を経て、阿寒湖まで来た。

阿寒湖は、かなしい。

湖上には遊覧船が浮かび
湖畔には温泉ホテルがたち並ぶ。
観光バスが数台連なり今日も人で賑わう。
アイヌ楽器「ムックリ」の音がひっきりなしに響き、
夜おそくまでつづくアイヌの舞踊に観光客が集まる。

阿寒湖アイヌコタン

それなのに漂う不思議な哀愁を感じながら、
アイヌコタンのみやげもの屋をはしごするのが好きだ。
絵葉書、木彫りの熊、アイヌモチーフの様々なアクセサリー。

おみやげのまりも
そして陳列されるおみやげの「まりも」。
この地に伝わる「まりも・愛の伝説」を
印刷したボードがそこかしこに張り出されている。

うろ覚えながら、以下その概要。

昔、阿寒湖の酋長の娘セトナとそのしもべのマニベはいつしか恋仲となる。
しかし、身分の違いからふたりの恋はかなしくも破れ、
セトナは酋長の決めた他の男と結婚することに。

婚礼の夜、セトナはマニベが遠くで奏でる美しい草笛の音に誘われ
湖畔にさまよい出で、そして二人は月淡き湖水に丸木舟で漕ぎ出す。
この世で結ばれぬ運命を、ふるさとの湖底で結ぼうと二人は身を投げ・・・

酋長はじめ村人はみな二人の深い心を知り、その幸せを祈ったという。
この男女の激しい恋の魂が「まりも」となって永遠に生きると伝えられる。
そして現在、相愛の男女がまりもに祈ると幸せになるという・・・

そんな内容だったと思う。

阿寒湖版「曽根崎心中」か、はたまた
アイヌ版「ロミオとジュリエット」というべきか。
かすかに違和感を感じなくもない。

阿寒湖の桟橋

ちなみに例の「まりも」はちゃんと生きている本物。
しかしおばちゃんが手の平で丸めて作ってるのは公然の秘密。

「藻くず」をきれいに丸めるための匠の技や極意などは、ない。
「自然な球形に」とか「相愛の男女の幸せを祈って」などはさらさらない。
年間数千万円を売り上げるという恋の魂は
「テキトーにくるくるっと丸めてるだけ」だそうな。

なお、さきほどの「伝説」、
昭和の時代に観光客用のPRとして、
思いつきでつくられた「伝説」だそうです。

阿寒湖は、かなしい。

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帯広へ-2016北海道Day1-1:(9/4)

北海道ツーリング初日。

先の台風10号の被害により、
道央から道東へ行く主要な道、峠が軒並み通行止め。
峠通行止
日勝峠に至ってはこんな状態(゚ロ゚;)…
国道274開発局提供

唯一、かろうじて復旧された道東自動車道を東へ進む。
崩落した法面の土砂を撤去した直後。(狩勝第二トンネル)
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河川は氾濫し、橋は落ちてトンネルは崩壊。
農作物は致命的な打撃を受け、
鉄道は一部の線路が崩壊し復旧の目処立たず。

被災状況やボランティア受入等の情報を集めるべく
当初訪れる予定のなかった帯広に立ち寄る。

街はさぞ混乱・混雑しているだろうと思いきや、
帯広駅前では「まちなかマルシェ」なるイベントが
なごやかに開催され、家族連れで賑わっていた。
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呆気にとられつつも、帯広の経済に貢献するべく
「豚丼のぶたはげ」の「小豚丼」を、
「六花亭」本店2Fの喫茶室にて
「まじりっけなし」という名のソフトクリームを、
「柳月」本店で菓子「防風林」を、
さらに柳月直営カフェの「トスカチーナ」にて
「三方六の生クリームパフェ」を堪能して
旅を続けることにする。
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なお、どのお店も「台風なんてどこ吹く風?」
といった具合に多くの客でにぎわっていた。

走りながら思う。
「北海道民は強い・・・のか!?」

(2016北海道Day1-2へつづく)

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舞鶴発小樽行きフェリー-2016北海道Day0:prologue(9/2)

8月の末に太平洋上で発生した台風10号の影響で
9/2(金)00:30発の小樽行きのフェリー【あかしあ】は
定刻よりおよそ四時間遅れての出航。

小樽まで20時間。
海は荒れることもなく、悠々とフェリーは進む。

話相手を探したりもせず、
計画を練り直したりもせず、
本を読んだりも音楽を聴いたりもせず、
地図を開くことすらせず、
持参してきたお茶をすすって
ただぼんやりと「なにもしない時間」をすごしてました。

フェリーあかしあ1

積丹沖までくると海上でも時折携帯の電波を拾い、
友人らからのメールの着信が数件。
・・・台風の被害で道内の主な峠は軒並み「通行止」らしい。

道路情報の提供と道中安全祈願に
お礼とおみやげの確約の返信すると、車両甲板開放のアナウンス。
さっと身支度を整え、甲板へ降り、
一年ぶりの北海道に上陸したのは深夜0時の5分前でした。

フェリーあかしあ2

ここから札幌市内にある祖母の家までは40分。

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