アフリカツインの欧州向けカタログコピーの翻訳(2/2)

africatwincatalogue5
<最高の操作性、最高のパフォーマンス>
究極のライディングを実現するために、この10年すべてのパーツは
慎重に設計し、集中的にテストを重ね、また作り直し、
常に改良を続けてきた末に、軽量・俊敏でアグレッシヴでありながら
挙動の安定も兼ね備え、比類なき高みにこのオートバイは到達した。
軽量セミダブルクレードルフレームは極めて強固でねじれ剛性にもすぐれ、
洗練された前後のサスペンション-43mmリーディングアクスルフォークと
プロリンク- は過酷なオフロードを走ることを想定した設計でありながら、
舗装路での卓越したパフォーマンスと快適性をも備えている。
いついかなるときも頼りになるレスポンシブルで強力なブレーキシステムは
デュアルピストンキャリパーを備えるフロントの276mm大口径油圧ディスクと
リヤの256mmの大型ディスクによって支えられている。

重要部品はすべて頑強に保護され、あるいは強化されている。総アルミ製の
スキッドプレートはどのような荒地の衝撃からもエンジンを守っている。
さあ、アフリカツインに乗り出そう。最初のアクセルで
このオートバイがダカールラリーで勝ち続けた理由を体感するだろう。

<さあ、あなた次第>
アフリカツインは間違いなく、最高峰の装備を備えている。
多くのライダーに扱いやすく乗りやすいよう、シートは低く設定。
長く大きな座面はタンデムでの居住性とロングライドでの快適性を備えている。
多機能デジタルメーターを含むインストルメントは視認性が高く、
集中力を途切れさせずに一瞥であらゆる状況を把握することができる。
強力なデュアルヘッドライトもダカールラリーから受け継いだもの。
エアロダイナミック・フェアリングはロングライドで優れた防風性を発揮し、
積載能力も高く、アドベンチャーツーリングの荷物もあますことなく積み込める。

アフリカツインはいつもあなたが求める以上のものを用意している。
細部にわたる最高級の仕上げもそのひとつ。
この鮮烈なトリコロールをご覧ください。

ひとたびアフリカツインにまたがれば、遮るものはない。
さあ、自由に思い描き、走り出そう。夢に向かって。

africatwincatalogue6

—————–

ついでに2001年式国内向けのカタログがこちら。

africatwincatalogue7
冒頭の部分のキャッチコピーの引用にとどめる。
————
大陸、冒険、走快。
750ccの排気量が生み出す、余裕の動力性能。
ロングツーリングを心行くまで満喫させる、優れた快適性。
過酷な自然に鍛えられた卓越したポテンシャルが、無限の可能性を教えてくれる。
すべての大地が、ステージだ。夢を駆るもの、アフリカツイン。
————-

カテゴリー: XRV750 Africatwin RD07A | コメントする

アフリカツイン 欧州向けカタログコピーの翻訳(1/2)

いま、手もとに2000年式アフリカツインのカタログがある。
欧州向けの、英語で書かれているものだ。
africatwincatalogue01africatwincatalogue2
当時の私が手にとって穴が開くほど眺めていた
国内向けのカタログ -モノクロのA4一枚だった- とは大きく違う。
写真の構図や配置、購入意欲をあおるカタログコピー。
日本と欧州でのマーケティングの違いが垣間見えて、おもしろい。

カタログコピーについては
ネット上を見回してみても「訳してみた」、という記事が見あたらなかったので
15年前のカタログを、かなり意訳もあるがいまさらながら翻訳してみる。

-長くなったので2回に分けて掲載することにしました。

—————–
africatwincatalogue3
<夢にパワーを>
アフリカツインにまたがること、それは伝説を受け継ぐこと。
オンロード、オフロード、ハイウェイ、沙漠の轍、砂地、山道、ターマック、
どこでも、どこへでも。アフリカツインとなら、あなたの夢はかなう。

africatwincatalogue4

<砂漠より出で、世界を駆ける>
アフリカツインは特別な血統を受け継いでいる。
ダカールに舞い降りたアフリカツインは輝かしい栄光の歴史を積み重ねてきた。
そして長年にわたる改良はアドベンチャーライダーたちの様々な要望に応えてきた。
炸裂するパワー、あらゆる速度での最適なドライバビリティ、優れた装備、
そして素晴らしい乗りやすさ。アフリカツインに弱点は、ない。
最高峰のデザートレースに挑戦してきた経験と、HONDAの誇る研究開発陣の
クロスオーバーが栄光の歴史を作りあげてきたのだ。

<感動のパワー>
アフリカの砂漠を制し、砂丘を縦横に駆け回るために、
どの回転域でもソリッドな手応えのパワーとトルクを生み出す、信頼性の高い742cc水冷4ストロークSOHC52度のVツインを採用。
低回転域でのトルクが非常に強いため、あらゆる状況で最高の柔軟性を発揮する -ゆえにパワー不足は、ありえないだろう。
このエンジンは、過酷な条件下でも素晴らしい耐久性と寿命を誇るうえ、
優れた冷却システムと、デジタル点火・ツインスパークの傑出した電気系統により、
さらに完成度が高められている。
そして23リットルの大容量フューエルタンクは300km以上の遠出を可能とし、
劇的に世界を広げ、他車では夢にすぎなかった遥か彼方まで行くことができるだろう。

(2/2に続く)

カテゴリー: XRV750 Africatwin RD07A | コメントする

世界の道#02 ルタ・クアレンタ(Ruta40/アルゼンチン)

「パタゴニア」という言葉を聞いて、何を思うだろうか。
風。荒野。奇岩。山。平原。雪。湖。氷河・・・

redhorizonruta401

南米大陸の南緯39度以南、もしくはネグロ川以南の地域の総称をパタゴニアという。
アンデス山脈によってチリ領とアルゼンチン領に二分される。
西のチリ・太平洋側は南極海からの冷たく湿気を含む風が
アンデス山脈にぶつかり、風雪雨が氷河や湖を形成し、
東のアルゼンチン・大西洋側は水気を失った冷たい空っ風 -それも台風並みの- が
アンデスを越えて年中吹き降ろし、寒く乾いた平原が地平線まで続く。

redhorizonsruta4002

この平原を南北に駆ける超ロングダート「Ruta40/ルタ・クアレンタ」がある。
Rutaはスペイン語で「国道」、つまり「アルゼンチン国道40号線」だが、
この単純な単語をツーリストが口にするときは
いつもそこに畏敬か畏怖が含まれているように思う。

redhorizonsruta4003

道幅の広い浮き砂利ダートが延々と続き、
百キロ走ってもすれ違う車はなく
途方もない広漠に方向感覚も麻痺し、
常時冷たい風が西から吹きつけるため
時々自分が走っているのか停まっているのかさえも曖昧になる。
緯度が高いために太陽の位置があまり動かず
時間の感覚も朧になり、違う惑星に迷いこんでしまったかのような錯覚。

redhorizonsruta4004

地平線に陽は沈み、地平線から陽はまた昇る。
この壮絶にして鮮烈を見るだけでもパタゴニアに来る価値は、ある。

カテゴリー: Great roads/世界の道, South America/南米大陸, World touring/ 海外ツーリング | コメントする

アフリカツインの燃料ポンプトラブルとその対策

アフリカツインというバイクはその生い立ちからタフさをウリにし
事実、10年以上かけて熟成されてきた歴史をもつ
機械として非常に信頼性の高いオートバイだが、ひとつだけ明確な弱点がある。

「燃料ポンプ」。

「フューエルポンプ」「電磁ポンプ」「燃ポン」などと呼ばれたりするこの部品は
ガソリンをタンクからキャブレターに送る重要な部品であり、
それが動作不良を起こすと、たとえタンクにガソリンが十分入っていても
ガス欠状態となり、走行不能に陥ってしまう致命的な弱点。

純正部品で新品に交換したとしても、数万キロで再発する懸念材料。
私も新車から2万キロ過ぎに一度発生し、新品に交換。
その6万キロ後にトラブル再発。どちらも内部の接点の異常磨耗。
2回目の時は南米ボリビアの砂漠の真ん中で、日も暮れかけてきたころだった。

砂漠で燃料ポンプトラブル

砂漠で燃料ポンプトラブル

もっとも、最初に壊れたときの経験から対策を講じていたので
落ち着いて作業をすませ、次の町 -80km以上先の- へ向けて走り出せたが、
あの時対策を用意してなかったら、と思うと背筋が冷える。

その時の対策方法は「負圧ポンプに換装」しただけ。
その後7万キロ以上その時の負圧ポンプを使用しているが、
現在もトラブルなく快調に走っている。

さて、「負圧ポンプ」は他車種の純正部品を流用するのですが、
機械やメンテが苦手な方にも非常に簡単に作れますし、
設置場所もある程度自由が利くので純正ポンプを付けたまま、
予備として車体のどこかに固定しておくこともできます。

近々そのつくり方もアップしたいと思います。

 

カテゴリー: XRV750 Africatwin RD07A | コメントする

世界の道#01 ヴァレー・ドライヴ (モニュメントバレー/USA)

rhmonumentvalley1
誰もが一度は見たことがあるだろう。
数多くの映画の舞台になり、
アメリカの原風景とも言われるモニュメント・バレー。
この先住民族ナヴァホ族の聖地のなかをはしる一本の道がある。
「ヴァレー・ドライヴ(valley drive)」。

抜けるように青い空と赤茶色の荒野の間、
天を突き、大地を睥睨してそびえる岩山
「ビュート(butte・残丘)」の間を縫う未舗装路。

rhmonumentvalley2

麓から見上げるビュートは異様な迫力をもって迫る。
高さは300メートル。60階建てのビルよりもはるかに高い。
ナヴァホ族はこの岩山の一つ一つに神の名を付け、崇めてきた。
この神々の集う庭を、私たちはいまオートバイで走ることができる。

rhmonumentvalley3

夕暮れ。
そびえ立つ<神々>が夕陽に照らされ、真っ赤に輝く。
物音はしない。乾いた風が吹いてゆく。

rhmonumentvalley4

この風景のなかでキャンプをしつらえ、
焚き火とともに一晩過ごした経験は素晴らしかった。

その話はまた別の機会に。

カテゴリー: Great roads/世界の道, North America/北米大陸, World touring/ 海外ツーリング | コメントする