三輪の神社めぐり

奈良県桜井市の「檜原神社」へ参拝してきました。

奈良を代表する三輪の「大神神社(オオミワジンジャ)」は
「本殿」がなく、「拝殿」の向こうの三輪山を神のお社として
祀っていることで有名ですが、北へ徒歩30分のところにある摂社「檜原神社」は
本殿どころか拝殿すらなく、ただ「三ツ鳥居」の向こうの山を
御神体として拝む、古来の神道のかたちを現在に伝える神社。

その三ツ鳥居を参拝して振り返ると、
「注連柱」の向こうに秀麗な二上山を望む。
春分・秋分の時期には二上山の間に沈む夕陽が見られるとのこと。

これだけでも十分劇的だけど、さらに興味深いことに
本社の大神神社はオオモノヌシ(出雲)、
摂社の檜原神社の祭神はアマテラス(伊勢)を
「同じ三輪山」を神のお社として祀っていること。

しかも。

檜原神社の北には大和(オオヤマト)神社があり
祭神は大和大国魂神(ヤマトノオオクニタマ)といい、
「戦艦大和」に勧請されていたことは知られているけど
本来は大和国の、ひいては日本全土の神様。

元々アマテラスとともに宮中で祀られるほど
朝廷から重視されていた神様にもかかわらず
「霊威が強すぎる」ゆえに別々の場所に祀られることとなり、
ヤマトノオオクニタマは今の地(大和神社)に、
アマテラスはこの笠縫邑(檜原神社)に一旦祀られたのち、伊勢神宮へ・・・

一般に、日本の最高の格式を持つのは伊勢神宮とされるけど、
それに並ぶ格式を持っているはずの大和大国魂神が鎮まるお社は
ひっそりとしていて参拝客もまばら・・・

これら三社は、この国のなりたちを思うときに重要な意味があるように思う。

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